日本外食全史 阿古真理著 五輪と万博で変わった風景 - 日本経済新聞

今から半世紀前、東京の下町の盛り場で立ち食い寿司屋に入った。「十円寿司」の看板通り、ネタは透けて見えるほど薄かったが、ねじり鉢巻きの職人が目の前で握り、レジに料金を告げるときは符丁を使った。回転寿司のはじめは1958年に東大阪市で誕生した「廻る元禄寿司」で、やがて全国に広がった。レーンの中の職人が注文…